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出光美術館 名品展 I に行ってきた

開館40周年記念
出光美術館 名品展 I
受け継がれる伝統の美—絵巻・室町屏風と中国陶磁 

2006.4.29(土)〜6.18(日)
※5.27(土)から展示替え

 数ヶ月ぶりの出光美術館。美術全集でおなじみの作品の実物が目の前にズラリとならぶ豪華な展覧会。
 
どんなものが出てたかを、個人的な好みでピックアップしてみました。

 展示室は3つ。順路でいうと、最初の部屋は仏画と絵巻物。次の部屋は書と茶道具。最後の部屋は中国画と中国陶磁、そして室町屏風。
 
I.最初の部屋
 この部屋のメインは 絵巻と仏画。この部屋のスーパースターは国宝《伴大納言絵巻》。次いで《絵因果経》といったところでしょうか。
 《絵因果経》は絵巻の話には必ずといっていいほど登場する作品で、歴史的価値の部分でポイントが高い。絵や文字も特別にスゴイ!という感じはしないのだけど、展示されていた場面に描かれていた魔物たちが、どこか「ゆるキャラ」が入っていて見ていて楽しくなってしまう。内容的には笑う所じゃないんですがね(^^;
 一方、天下の国宝《伴大納言絵巻》。これは、構図もカッコよければ、人のポーズのとらせ方、ひとりひとりの表現、どれをとっても上手。しかも、この上手さは漫画的な上手さだったりするところがたまらなくステキです。できれば、全画面みたいです。
 とはいうものの、私のイチ押しは部屋の文脈からちょっとハズレた朝鮮陶磁3点のうちの一つ《青磁刻花牡丹唐草文瓢形水注・承盤 》だったりします。ほか2点《青磁象嵌唐子文浄瓶》《粉青沙器白地掻落四耳壺》とともに、朝鮮陶磁の本でよく見かける作品。《青磁刻花牡丹唐草文瓢形水注・承盤 》の感想は、また別途。
 
II.二番目の部屋
 書・茶道具の部屋ということで、書き物や茶道具の陶磁器などとともに、掛け軸が展示されている。そして、ここにも国宝様(^^;が登場、《古筆手鑑 見努世友》。いろいろな時代の達筆な方々の書がひとつのスクラップブックみたいになっているというシロモノです。これをみていると、どういう書がいいとされたかが見えてくる。
 書だけでなく、料紙の装飾に手をかけたものもある。《石山切》では、料紙に薄墨で絵模様を入れ、その上に雲母(?)で地紋を刷り、その上に書をしたためている。こういう見せ方は現代のグラフィックデザインのご先祖様といえるかもしれません。
 軸では雪舟《破墨山水図》や牧谿《叭々鳥図》に目がいきます。
 中国陶磁は次の部屋にもあるのですが、ここでも少し展示されています。《青磁下蕪花生(瓶)》は本でみたことのある作品のひとつ。
 
III.最後の部屋
 室町屏風と中国陶磁の部屋。おまけのように数点中国絵画の軸が展示されている。
 屏風は4点。伝雪舟《四季花鳥図屏風(六曲一隻)》、能阿弥《四季花鳥図屏風(四曲一双)》、作者不詳《日月四季花鳥図屏風(六曲一双)》、作者不詳《源氏物語 早蕨・手習図屏風(六曲一双)》。
 伝雪舟の屏風は、今ひとつピリっとした感じがしなかったのだけど、傍目を気にせず(^^;;腰を落として低い位置から見ると、力強さがアップ。(これは、屏風全点に通じます。屏風はもともと、座敷で座った視線を前提として描かれているので、そのままだと、本来想定している視線よりも上から見下ろすことになってしまう訳です。)
 能阿弥の屏風は、絵そのものはすごく素敵。でも四曲という構造のせいか、いまいちスペクタクルな感じがしなかったのが残念。たぶん、図版映えはしそう。
 日月四季花鳥図屏風は、日(月?)の部分に金属版をはめ込んだり、金雲の代わりに砂子を散らしたりと、料紙っぽい装飾を駆使してるところが特徴かな。でも、それによって画面が鬱陶しくなってしまっています。
 源氏物語の屏風では、結構人物が大きく描かれています。ふたつの面(扇)にかかっている部屋の縁が、曲がって見えないように、しゃがんだ視点から眺めると、立体的に見えてきます(^^;;
 
 中国陶磁も名品揃い。《青白磁刻花牡丹唐草文瓶(景徳鎮窯)一対》は全集ではおなじみのもの。白磁の胎の上にかかった淡いセルリアンブルーの釉薬の調子は格別です。
 《青花紅彩龍文瓶(景徳鎮窯)》、これも有名な作品。青花のバックに紅彩で描かれた5爪の竜。爪の本数が多いほど位の高い人向けのものというだけあって、細部にまで神経の気届いた絵付けです。その差は《青花龍文壺(景徳鎮窯)》の3爪の龍の絵と比べるとよくわかります。
 ちょっとした儲け物(^^;;と思ってしまったのは《紫紅釉輪花花盆(鈞窯系) 》。鈞窯の釉調の青というのは、紫の上にマットな水色が掛かる感じがちょっと独特で、結構好き。だから、系とはいえ鈞窯ものを実際にみることができてうれしかった。

 目当てだった室町屏風は、少ししかなかったけれど、《伴大納言絵巻》はかっこ良かったし、陶磁器三昧もできたし、結果としては大満足でした。

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