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『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』橋本治

新潮文庫 2005.11.1(本体629円)

 私は三島を読んだことはない。それでもこの本を買ってしまったのは、著者の評論のファンであるということもあったけど、それよりも「三島邸のアポロ像は存外チャチだ」ということから始まる書き出しにつられたせい。
 私の中にある最初の三島の記憶は「自衛隊の基地で切腹した」という幼い頃に耳にしたニュースだった。次の記憶は、高校生の頃。同級生が三島派vs太宰派で激論していたのを覚えている。当時の私が住んでいたのはSFの国で、出張してもせいぜい澁澤龍彦の国だったので、その論争はほとんど対岸の火事だったんだよね。その後のニアミスは二十歳すぎに目撃した『薔薇刑』という三島の写真集(^^;;。当時勤めていた事務所で撮影者の細江英公さんの他の写真を扱ったことがあったんで、そのからみで眼に入ったんだと思う。今でも口に薔薇を埋め込んだ三島の顔を思い浮かべるとクラクラする。そうそう、街角にはられた『憂国』の自主上映のチラシの中に使われていた、ハチマキ&学ラン姿というのも覚えている。
 そして、もっとも最近の記憶は『からっかぜ野郎』という三島の主演映画。なぜかエンディングだけ見たのだけど、楽しそうにチンピラを演じていた。
 そう、私のイメージにある三島は、作家ではなく「何だかへんな人」だったのである。この本はその謎を解いてくれるような気配がしていてそそられたんだよね。結局《立ち読み》転じて《お買い上げ》¥ちゃり〜ん¥。
 みごとなツカミにはまって中を読み進むと、1作1作が丁寧に読み解かれている。それを読んでふらりと「三島を読んでみてもいいかも」と一瞬は思った。が、しかし、そんな気持ちも引用文を読んで萎えてしまった(^^;;
 美少年を賛美する文章に胸焼けしちゃったのである。
 著者によって読み解かれた三島の葛藤は魅力的なのだけど・・・。
 う〜〜〜ん。
 三島を読まないのも人生かもしれない。

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Tracked on 2006.01.05 at 12:06 AM

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