« 六本木ヒルズのイルミネーション その2 | Main | 素敵なお歳暮 »

キャロル・オコンネル作 Winter House

 数十年前に大量殺人のあった豪邸に侵入した強盗が家人に殺された。殺したのは数十年間の行方不明の後、家に帰還したその家の令嬢ネッダ。ただの過剰防衛に思われた殺人だったが、被害者はマロリーの逮捕した連続女性殺人の容疑者だった。
 と、いうところから話が始まる。
 今回の見どころは、「マロリーのかわりに死刑になってもかまわない」程彼女を愛するチャールズがマロリーとは別の女性の騎士なるとこかな?。
 重要なブレーンであるチャールズとの不協和音に動じることなく、我が道をいくマロリー。
 なんといっても、12歳で失踪したネッダはある意味伝説のヒロイン。しかも、老境に達してもなお魅力的。センチメンタルな殿方たちが、自分達の思い込みにふりまわされるのと反対に、マロリーはあくまでも冷静だった。
 マロリーはネッダと同じ様な過去を持つ。だからこそ、非常にクールにネッダを見ることができた。マロリーのクールさは感情に論理判断が曇らされないという意味なのだが、この辺が冷たさや非人間性という風にとらえられてしまう。今回はそれを十分分かってるはずのチャールズが離反してしまう。読んでるこっちは「あなたがマロリーから離れてどうすんのよ!」とつっこみを入れたくなるけれど、当のマロリーは動じない。ある意味可哀想なチャールズ。
 「感情的な思いやりによる判断」と「冷徹な論理判断」のどちらがいいのか、っていうすれ違いなんだけどね。この役割分担が、共感を男性のチャールズが、論理を女性のマロリーが受け持つ形になるのがこのシリーズのポイントなんだと思う。

 ともあれ、あいかわらずオコンネルは年配の人を魅力的に描いています。主な登場人物のほとんどが熟年。チャールズも40がらみだし(^^;;
 
 マロリーは今回も大型拳銃ちらつかせて、女ダーティー・ハリーを決め込んでいるけど、その背後ではいつも年老いた円卓騎士たち(っていってもポーカー・テーブルだけど)が見守ってる。彼等にとってマロリーはいつまでも、ずる賢くてやんちゃだけど愛さずにはいられない王女様なんだよね。

Carol O'Connell "Winter House" Berkley Novel $7.99US 2004

Winter House (Kathleen Mallory Novels (Paperback))
Carol O'Connell
Berkley Pub Group (Mm) (2005/09/06)
売り上げランキング: 252,237

|

« 六本木ヒルズのイルミネーション その2 | Main | 素敵なお歳暮 »

「本・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16830/7585136

Listed below are links to weblogs that reference キャロル・オコンネル作 Winter House:

« 六本木ヒルズのイルミネーション その2 | Main | 素敵なお歳暮 »