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『アンチ・ハウス』森博嗣+阿竹克人

中央公論新社 2003.6.15   ¥2,800+税

森博嗣が建築家阿竹克人とガレージ(というか総合工作室)を建てるまでの実録。メールのやりとりの積み重ねと随所に挟まれた写真で、できるまでが追体験できるという仕組み。
こういうの読んでて一番面白いのはトラブルのところ。役所との戦いも面白かったけど、見積もりのところでは森センセの見識に共感してしまった。
建築家の阿竹センセは予算を平気でオーバーしちゃってもへいちゃら(?)なんたって施主はベストセラー作家の森博嗣。それに対して、森センセが理念的な理由でクレームをつける(ガレージは道具、道具にそんな金額を費やすのは恥しい)。ところが、阿竹センセは「旦那論」を持ち出して説得に出る。
森センセはガレージを道具として見ているけど、阿竹センセは作品としてとらえているってとこが、最大のギャップのような気がする。
私は森センセのいい分の方がもっともに思える。ほとんどの建築物は何らかの機能を求めて作られる。ところが、建築家さんは自分のアイデアを実態化することにばかり執着してるような気がする。
我が家も建築士さんに設計してもらったんだけど、その時感じた違和感みたいなものをしみじみ思い出してしまった。
建築家の人々は、施主はすべて建築家のパトロンであるのが理想だと思ってるんでしょうかねえ。
以下は本とは関係ない話++++++
住宅は数十年かけて使う道具なのに、建築家のセンセは「素敵でしょ」なーんて理由で、見た目重視の設計をしてくる。エネルギー効率とか温度環境や照度環境はボディーブローのように財布と体を蝕むんだけど、たいていの場合、一人のクライアントが2度目の依頼をする率は低いから、センセ方は気付かない。建てた側は大金注ぎ込んでるから、多少不具合があっても気にしないように勤める。あ〜あ。
建築家と家を建てる時に一番えらいのは結局建築家。森センセくらい知識や気持ちがしっかりしてないと、結局いうがままになってしまうんだよね。本人たちにしては、とんでもない大金はらってるわりに実権がないのが施主様ってものかも。日頃クライアント様の顔色伺いしてるヘナチョコグラフィックデザイナーとしては、建築家のセンセの感覚にあきれるやらその身分がうらやましいやら。

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